:::「魂(タマシイ)」:::

2004.9.6

 以前こんな話を聞いたことがある。エベレストにかつて登った日本のクルーたちの話。

 ネパールの現地の人にサポートを頼み、日本人グループは目標を立て、計画的にエベレスト登山を進めてきた。そして、天候などにも助けられ、順調すぎるほど順調に、予定より一週間も早く八合目までたどり着いたという。
 このままならこれまでの登山記録の最短記録を打ち立てられる、そう思った日本人たちは、次の朝にすぐに頂上へ向かうべくテントをたたみ、準備を整えた。しかし、ネパール人クルーたちはテントからいっこうに出ようとしない。日本人が尋ねると、今日はまだここに留まるとの返事が…。
 その日はさすがに日本人たちも待ったが、次の日になっても、その次の日になってもネパール人たちは出発しようとしない。日本人たちの志気はだんだんと下がっていき、とうとう予定通りの一週間がたってしまった。
 日本人たちは、せっかく予定より早く登頂できたはずという気持ちで落胆しているところ、その当初の予定の日の朝に、ネパール人たちはこれまでの静止がウソのようにすばやくテントを片づけ出発の準備を整えた。そして、その勢いで無事エベレスト登頂を果たし、みんな無事に帰ることができた。
 後日、日本人がネパール人に「あのときはいったい何をしていたんだ」と聞くと、「後から追ってくる自分たちの魂を待っていた」と答えたという。

 そんな話信じますか。
 ぼく自身、自分の気持ちが入ったことをしなければ、やりがいも感じないし、達成感も残らない。その意味で、さっきの話のネパール人の「追ってくる魂を待っていた」という言葉は共感をおぼえる。
 宗教チックだけど、ぼくは魂(タマシイ)の存在を信じる。

 魂が答えを返してくれないとき、それは止まるべきとき…。


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