:::「大事なもの」:::

2003.11.11

 人は大事なものにふだん気付かないもの。そして知らず知らずのうちに傷つけていってしまう愚かな生き物…。
 ぼくは今回それを痛感した。ふだん隣にあることが当たり前に感じていたものを急に失ったとき…。
 そう、ふだんはあまり危機感を持たず当たり前に過ごしていた。それだけならまだしも、気にさわることがあれば、自分のことをさしおいて罵倒した。当たり前にあるものに対しては、気にくわない面が目立って、それを責めてしまう…。悪いクセ。
 それが祟って形勢逆転。当たり前だと思っていたものが掌からすり抜けていく。そしたらどうだ、自分を顧みて反省のしっぱなし。自分がどれだけのものだというのだ。当たり前のときはときにうっとうしくさえ思えたことがスカッと消え、失うことへの不安。そしてそれまでの存在の大きさに驚かされる日々。
 当たり前であることにぼくは溺れてしまっていた。しかし、そう思えるときはたいていがもう手遅れのとき。
 本当に大事なもの。
 もし叶うなら、失くしかけたものをもう一度戻せたなら、ぼくは一生大事にしていくよ。何より大事にするよ。ぼくは神様の存在を信じたい…。

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